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店主インタビュー|誰もが前向きになれる「金輝(きんき)発達障害アートギャラリーカフェ・バー」の”楽しみ方”と”これから”


街で見かけた、噂で聞いた面白い人・もの・気になるお店をお届けするライター、富山出身の谷町邦子です。

今回取材するのは発達障害の人たちが交流する大阪・心斎橋のカフェバー「金輝(きんき)発達障害アートギャラリーカフェ・バー」さん。

最近テレビや雑誌、インターネットで取り上げられることの多い「発達障害」ですが、「生きづらさ」に注目されることが多かったように思います。ですが、このカフェバーでは、イラストや写真などのアートを見たり、イベントに参加したりできるみたい。「もしかしたら自分って発達障害なのかも?」と悩み、病院やカウンセリングに行く前に相談に訪れる方もおられるそうです。

のびのびと自分を出して集まる事のできる場所であり、障害のある・ないに関わらず、とっても楽しそうです。そんなわけで、カフェバー金輝を立ち上げたオーナーに会いに、お店に行ってみました!

“金輝”ってどこにあるの?


お店は心斎橋と日本橋の間、東心斎橋に。

場所は大阪市中央区の東心斎橋。地下鉄「心斎橋」駅から徒歩4分。
駅のの出口から、大丸北館の脇の道、大宝寺通りを通って心斎橋筋商店街を横切ってください。東に向かってまっすぐ歩き、南小学校の角を右に曲がります(学校の手前で曲がっちゃNG)。少し歩くと見える白いビル「ふぁみーゆ東心斎橋Ⅴ」の4階に、「金輝(きんき)」はあります。


貼り絵の看板が目印。


到着しました!


「いらっしゃいませ!」

お店のオーナー、「カラカラ君」こと橋際 義(はしぎわ つとむ)さん(以下、カラカラ君)が、笑顔で迎えてくれました。


カフェバーなのでお酒はもちろん、貼り絵やイラスト、ポストカードなどアートもいっぱい!


カラフルな貼り絵は、絵画・グッズ販売、貼り絵教室の講師などを行う、「オーダーメイドの貼り絵やさん」の岡森陽子(おかもりようこ)さんによるもの。


取材当日には会えませんでしたが、岡森さんもお店で活躍しています。


そのほか、いろんな作家さんたちの作品がポストカードなどで展示販売されています。


たくさんのアートに囲まれながら、オーナーのカラカラ君(手前)と、放課後等デイサービスで働きながら、イベント「哲学カフェ」で講師も務める足立 悠(あだち ゆう)先生(以下、ゆう先生)にお話を聞いてみました。

※障害のある就学児童向けの学童保育サービス

発達障害アートカフェバーを作ったきっかけは?


カラカラ君
26歳の時、発達障害と診断されました。それでもなんとか自分に合っている職業(アプリ関係の会社)に就くことができたんだけど、上司との関係がうまくいかず苦しみました。

「こんな事になったのは自分だけなんじゃないか」としばらく悩んでいましたが、ある時、発達障害を抱える人で集まる「オフ会」を開こうと思い、やってみたら想像以上にたくさんの人が集まったのです。そこで、「オフ会」みたいにみんながいつも集まる場所があればいいなと思い、お店を立ち上げることにしました。

発達障害じゃないと来店できないの?

どんなお客さんがくる?

ゆう先生
発達障害の診断が降りた人だけではなく、仕事でうまくいかないなどの悩みを抱えていて、もしかすると自分は発達障害なんじゃないかな、という人が「病院に行く前に発達障害についての話を聞いてみたい」といらっしゃることがあります。また、本人だけではなく、娘や息子など家族、パートナーや友人など身近な人が発達障害だという方も来店されますね。
カラカラ君
年代は25~35歳でメインですね。自分の意思で来た最年少のお客さんが18歳、お母さんに連れられた小学4・5年生の子どもや、0歳の赤ちゃんをつれたお母さんもいました。


(メニュー表に金輝のルールが書いてありました)

会社や恋愛など、人間関係で悩んでいるが多い?

ゆう先生
当事者の場合、 それで来るお客さんがほとんどです。
カラカラ君
でも、みんな自分の居場所がわかってないだけで、普通の人なんですけどね。
僕が金輝でイベントをやる時は、参加する方、1人ひとり自己紹介してもらうんですが、「仕事でうまくいかない」「長い間発達障害ってわからなかったけど、最近になってからわかった」「心療内科にいって鬱と診断され、ずっと薬を飲んでいる」という方が本当に多いですね。


(岩手の当事者の方によるイラスト)

ゆう先生
ここは生きづらさを抱える人たちにとって、会社や学校、家庭では話せないような気持ちなど、何でも話せる場所なんです。悩みや苦しみを分かち合って、「俺もそうだ」「私もそうだ」って共感し合える。当事者同士のつながりができる、大切な居場所ですね。
カラカラ君
発達障害として診断が降りていない人、当事者ではない人も、ぜひとも遊びに来てほしいです。発達障害の人、そうでない人が交流することによって、お互い勉強になるかなって思っています。


発達障害のお客さんだけではなく、難聴・声帯の傷害で声が出づらい方、弱視の方など身体障害者や、性的マイノリティーの方もご来店。

上の電車の写真は視覚障害者の「ドリームドンだーゆめみ」さんというYouTuberによるもの。


「金輝」ではお客さんとのコミュニケーションを大事にしていて、例えば、スピーカーで音楽を流すことはありません。

何かを手に持ちながら、触りながらの方が話しやすい人もいるので、スピルナーや懐かしのルービックキューブなどが置かれています。


懐かしのおもちゃといえば、ファミコンも。最新ゲーム機よりも逆にレア。人気のようです。

もちろん、普通にバーとしても楽しめます!

バーと言えばお酒も重要。もともとお酒、特にカクテルをたくさん飲む方ではなかったというカラカラ君ですが、お店で人気が出そうな、おいしくてユニークなオリジナルカクテルをたくさん考案しました。

個性とおいしさ、発達障害アートカフェならではのオリジナルカクテル


まずは「発達グレーゾーンカクテル」。珍しいグレーのカクテルは、偶然から生まれたそうです。

いちご、ブルーキュラソー、カルピス、ジンジャーエールから作るこのカクテルは、ユニークな色ですが、甘み、酸味、そしてスパイシーな味わいがバランスよく組み合わさられた、人気の一杯(600円)。


続いてはノンアルコールのカクテル2つ。お酒が入っていないので服薬中の方も安心ですね。

左のピンクのカクテルは「悩める少女カクテル」。甘いグレナデンシロップとホイップした牛乳でできたカクテル。

右のカクテルは「人生激甘カクテル」。ココナッツシロップの甘く優しい味わいに、ブルーキュラソーのシロップ、パイナップルで甘酸っぱをプラス。こちらもホイップした牛乳入りです。(どちらも500円)

コースターのイラストは、イラスト作家さんとの交流イベントで描かれたものだそうです。

気になるシステム

セット料金は設備料、おつまみやお菓子、ドリンク1オーダー料込みで1500円。ミナミでは破格なのではないでしょうか。追加オーダーはソフトドリンク500円、アルコール600円、フード300円からとなります。


照明がキツくまぶし過ぎたり、逆に薄暗かったりすることのない、絶妙な明るさの店内。


照明にセロファン。明る過ぎる照明が痛みや不快感につながる、感覚過敏のお客さんへの気配りです。

人気イベント「哲学カフェ」

金輝では、カラカラ君や他のスタッフ、お客さんとの気軽な会話が楽しめるだけではなく、いろんなイベントが開催されています。今回は、その中でも特に人気のイベント「哲学カフェ」の講師、ゆう先生にもお話を聞いて見ました。


「哲学カフェ」で伝えたいこと

ゆう先生
発達障害の人は今まで周りから怒られ続けて自分の居場所がないと感じる方、自己肯定感がなく「なんで生きてるんだろう」って感じている人がすごく多いんです。僕はそういった方が自分自身や自分らしい人生を取り戻すことのお手伝いをしたいと考えています。


(哲学カフェではホワイトボードに板書します。学生時代に戻ったみたいで懐かしいですね)

ゆう先生
僕は以前、教員だったのですが、哲学や心理学の本をたくさん読んで、得た知識を実践することで自分の人生を取り戻せたという実感があるので、読んだ本や、考え方、自分らしく生きるための行動を紹介したいと思っています。


(ゆう先生の座右の銘。ポジティブさに溢れています)

ゆう先生
病院ではお医者さんが症状を聞いて投薬し、専門家臨床心理士がカウンセリングをします。
でもそれだけではダメで、当事者にとって辛さや生活する上での工夫を同じ発達障害の仲間と分かち合うことも必要。自分自身もカウンセリングを受けていたことがあったのですが、人生がいきいきしだしたと感じられるようになったのは、同じ発達障害を持った人との交流に勇気を出して飛び込んでいってからなんです。


ゆう先生
当事者同士でおしゃべりするだけでもいいですが、哲学カフェでは愛や友情、正義などいろんな物事について、共通のテーマで筋道立てて話をするので、普段自分ひとりでは考えなかったこと、意識しなかったことに気付けて有意義だと思います。


ゆう先生
「シェア」「わかる」など書かれた「コミュニケーションカード」は、主に「哲学カフェ」で使います。熊本の場面緘黙症(ある特定の場面、状況で話したくても話せない状態)の方からアイディアで置かれるようになりました。金輝ではオーナーのカラカラくんや講師が一方的にお客さんを楽しませるのではなく、お客さんも自主的にお店を盛り上げるため、アイディアやものを持ち寄ります。


ゆう先生
メニュー本づくりに協力するお客さんも。みんなで知恵やスキルを持ち寄って、楽しい場にしています。

これからの金輝

オープンから1年半。たくさんの人々やアートが集まる、個性あふれる場となった金輝ですが、オーナーのカラカラ君とゆう先生は、金輝の今後についてどのように考えているのでしょう。


カラカラ君
ゆう先生の「哲学カフェ」はじめとして、発達障害を抱える人が自己肯定感を上げるイベントをこれからも増やしていきたいです。カフェのスペースを貸して終わり、じゃなくて、イベントを立ち上げるお手伝いをしたり、アート作品を売るお手伝いをしたりというところまでサポートしていきたいですね。

それから、仕事づくりです。カフェを発達障害の人の働く場にしたいと思っています。ちょうど明日(取材した2018年3月15日の翌日)、就労支援の人が体験入社に来るんです。そういった、いろんな方法で、今まで特性を生かせる場所がなかった人が活躍できるようお手伝いしたいですね。


ホームページづくりも得意なカラカラ君。1日で1万pvを達成したことも。自分の芸術家肌なところを活かしたい、そして他の人が能力を発揮できるよう裏方に回ってプロデュースしたい。そんな気持ちもお店をオープンした動機とのことです。

本人そっくりのイラストはお客さんによるもの。愛され度合いが伝わります。


ゆう先生
オランダやフィンランドやアメリカといった先進国のように、日本でも発達障害を障害と呼ばず「ギフテッド(飛び抜けた能力がある一方、乗り越えがたい不得意がある人)」と肯定的に捉えられるようになればいいと思っています。

日本にいる発達障害の方が、普通に教育を受けて、仕事して、幸せに生きていける社会を作るための草の根活動の活動のひとつとして金輝での活動を続けていきたいです。


「みんなが金色に輝く」そんな願いがこもった、発達障害アートギャラリーカフェ・バー金輝。

発達障害の方も、そうでない方も、個性的なアートに触れ、人びととの会話を楽しんでみませんか。

まとめ


「不器用だけど、誰かとつながりたい。気持ちをシェアしたい」

そんな前向きで力強いパワーを感じる「アートギャラリーカフェ・バー 金輝」

個性的で、なんとなく優しさを感じる作品を見ながら、マイペースなオーナーカラカラ君と話したり、ゆう先生のポジティブなトークを聞いたりしているうちに、いつの間にか元気になりそうです。

そして、金輝のオリジナルカクテルで、今回紹介できたのはほんの一部。ぜひ、あなたのお気に入りを探してみてくださいね。

今回紹介したお店のHP→【金輝(きんき)発達障害アートギャラリーカフェ・バー 大阪】

店舗名 発達障害アートギャラリーカフェ・バー 金輝
定休日 火曜日
営業時間 【平日】15:00~22:00
【土日祝】13:00~22:00
アクセス 地下鉄「心斎橋」駅より徒歩約10分
電話 050-5594-7695
住所 大阪市中央区東心斎橋1-15-1 ふあみ〜ゆ東心斎橋V 4階

【ライター】 谷町邦子

関西の新しいもの、珍しいものに注目する富山県出身のライター。
鋭意ダイエット中だが、お酒や甘いものもやめられない!

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