「山崎」と言えば、誰もが知る高級ウイスキー。実はその「山崎」が大阪で作らているって知っていましたか?
京都と大阪の境にそびえる天王山のふもとにある「サントリー山崎蒸溜所」(大阪府三島郡島本町)は、日本で初めて本格的なウイスキー造りが始まった場所。ここでは、原料の選定から仕込み、発酵、蒸溜、貯蔵、そして瓶詰めに至るまで、すべての工程が一貫して行われています。今回は、そんな歴史ある「サントリー山崎蒸溜所」の魅力を、お出かけ好きライター・あやめしがたっぷりご紹介します!
目次
サントリー山崎蒸留所とは?
「サントリー山崎蒸留所」は、日本で最も古いモルトウイスキーの蒸留所です。ウイスキー造りに欠かせない「理想の自然条件」がそろっていた場所。それが、京都と大阪の境にある“山崎”。
1923年、サントリー創業者・鳥井信治郎氏はこの地に、国産ウイスキーへの夢を託して蒸留所を建てました。
蒸留所があるのは、天王山のふもと。周辺には美しい竹林が広がり、その地下には名水が湧いています。かつて千利休が茶室を構えたほどの名水と、山崎の湿潤な気候。この2つが、まさにウイスキーづくりにぴったりだったのです。
見学ツアーは3種類!
そんな山崎蒸留所には、見学できるコースが3種類あります。
ウイスキー造りの現場を体感できるツアーから、自由に見学できるコースまで。興味にあわせて選べますよ。
山崎蒸留所ものづくりツアー
「サントリー シングルモルトウイスキー山崎」が生まれる製造現場を、五感で体感できるスタンダードツアー。仕込みや発酵の工程にふれながら、現地ならではの香りや温度を感じることができます。
ツアーでは「山崎」や希少なモルト原酒、山崎ハイボールの試飲ができ、さらにオリジナルのテイスティンググラスもプレゼント。
所要時間:約80分
料金:3,000円(税込)
対象:20歳以上
予約方法:抽選制
山崎蒸留所ものづくりツアープレステージ
通常ツアーよりもさらに深くウイスキー造りを体感できる、ハイグレードな見学コース。
プレステージツアー限定の製造エリアに足を踏み入れたり、実際の職人の作業風景を間近で見ることができます。
試飲では「山崎12年」や希少なモルト原酒が味わえる贅沢な内容です。
所要時間:約120分
料金:10,000円(税込)
対象:20歳以上
予約方法:抽選制
山崎ウイスキー館見学
蒸留所敷地内にある「山崎ウイスキー館」は、展示やショップ、有料テイスティングラウンジなどが楽しめるスポット。
スタッフの案内はありませんが、自分のペースでじっくり見学できます。
所要時間:自由
料金:無料
予約方法:事前予約制(案内スタッフなし)
どのコースも事前予約が必須なので、公式サイトで予約情報をチェックしてから訪れましょう。
いざ!蒸留所見学へ!
入口
まず、敷地内に入るときにくぐるのが、この象徴的なゲート。額縁のように四角く形どられたゲートをくぐると、まるで異世界へと一歩足を踏み入れたような感覚になります。
実はこのゲート、かつて実際にウイスキーの蒸留に使われていた「ポットスチル(蒸留器)」を再利用して作られたものなんです。入口からすでに、ウイスキーの世界観を感じられる演出が施されているんですね。
山崎ウイスキー館
ゲートをくぐると現れるのが「山崎ウイスキー館」。予約をしていないと入館できない特別な施設です。
受付を済ませて、早速入館してみましょう。
ウイスキーの歴史を学ぶ
展示コーナーは1階と2階に分かれています。1階では、日本のウイスキーの始まりやサントリーウイスキーの歩みを紹介。
過去に造られたウイスキー瓶や、当時の広告ポスターも展示されています。
2階では、製造工程や品質へのこだわりを紹介。
中央には1984年発売の初代「山崎」から、2023年の100周年記念ラベルまで、歴代のボトルがずらりと並び圧巻です。
製造に使用されているもののミニチュア模型もありました!
テイスティングラウンジ
吹き抜けになったテイスティングラウンジは、中央の大きなポットスチルが目印。ここでは、山崎をはじめ、貴重な原酒やウイスキーのテイスティングが有料で楽しむことができます。
メニューはこんな感じ。
机もあるので、立ち飲みスタイルでテイスティングができますよ。
ちなみにこのテイスティングラウンジ、ポットスチルの裏の部分には、ウイスキーの原酒が入った瓶が並ぶ通路が。
壁一面に並ぶその光景は圧巻。思わず写真を撮りたくなってしまいますね。
ギフトショップ
ウイスキー館2階にはギフトショップが併設されています。ウイスキーはもちろんここで購入は可能。
おつまみとセットになったプレゼントにも最適なギフトセットなどもありますよ。
お酒だけでなく、雑貨や書籍も。ラインナップ豊富なので、来場記念や、お土産にも最適です。
鳥井信治郎像
ウイスキー館を出てすぐのところにあるのは、サントリー創業者であり、初代マスターブレンダーの鳥井信治郎氏の像(左)。その隣には、鳥井信治郎氏の息子で、二代目マスターブレンダーの佐治敬三氏の像(右)も展示されています。日本のウイスキーの歴史に欠かせないお二人です。
アクセス
山崎蒸留所の最寄り駅は、JR京都線の山崎駅。
改札を出て、右手方向に進むと、案内看板が現れるので、指示通り進みます。
途中で三叉路が現れますが、道なりに進みましょう。
そのままひたすらまっすぐ歩きます。
踏切を越えると到着です!
最寄り駅の山崎駅は珍スポット!?
最寄り駅の山崎駅は、実は珍しいスポットが2つあるんです。
1つ目は、改札外にあるこのベンチ。実は、ウイスキーを作るのに使用していた樽を再利用して作られたものなのだそう。
そしてふたつ目。実は、山崎駅のホームには、大阪府と京都府の府境があるのです。
大阪府の島本町と、京都府の大山崎町にまたがるこの山崎駅。駅のホームで府境が見られる珍しいスポットです。
まとめ
サントリー山崎蒸留所は、日本のウイスキーの原点ともいえる特別な場所。
実際に蒸留に使われたポットスチルのゲートをくぐった瞬間から、ウイスキーの世界が広がります。館内では、歴史や製造工程を学び、テイスティングラウンジで希少なウイスキーを味わい、ショップでお土産を選ぶ……そんな充実した時間を過ごせますよ。
見学ツアーはすべて事前予約が必要なので、公式サイトでスケジュールを確認してから訪れてみてくださいね。
日本が誇るウイスキー文化を、ぜひ山崎の地で体感してみてはいかがでしょうか。
詳細
営業時間 :10:00~16:45(最終入場16:30)
休業日 :年末年始・工場休業日(臨時休業あり)
電話番号 :075-962-1423
住所 :〒618-0001 大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
地図 :Googleマップ
公式サイト:サントリー山崎蒸溜所(大阪府)|ウイスキー蒸溜所見学