京都・神戸・大阪公開中(イオンシネマ久御山、イオンシネマ高の原、OSシネマズ神戸ハーバーランド、大阪第七藝術劇場)、3月17日より(新宿武蔵野館、アップリンク渋谷、イオンシネマ板橋ほか)全国ロードショーされる映画「神さまの轍 -Checkpoint of the life- 」
ロードバイクに青春を捧げた若者の姿を描く、すべての人が忘れてはいけない「夢」について真剣に描かれた作品。
主演は、ドラマや映画・舞台などで幅広く活動をされ、2017年10月期より放送中のBSTBSドラマ「水戸黄門」において”格さん”役としても出演している荒井敦史さん。
そしてNHK連続テレビ小説「ひよっこ」他、多数の映画出演をし、今後も公開作品が控える岡山天音さんのお二人。
今回は映画「神さまの轍 -Checkpoint of the life- 」の企画・脚本・監督である作道雄さんに映画の見どころ、撮影エピソードや作品にかけるメッセージなどなど…大阪ルッチ編集長”ぐみ”がいろんなお話を聞かせていただきました!
さらにさらに、作道監督の出身地である大阪は茨木市のローカルネタまでお楽しみ頂けますよ(笑)。
※一部ネタバレを含みますのでご注意を!
あらすじ
京都府井手町の中学生、勇利と洋介はふとしたきっかけでロードバイクに熱中していく。
自分はどこに向かうのか、漠然とし見えない未来に向かってかただひたすらペダルを漕ぎ続けることだけが二人にとっての青春だった。
やがて疎遠になった勇利と洋介だったが数年後再会する。勇利はプロのロードレーサーとして自分の将来を決め、社会人となった洋介はいつの間にかロードバイクに乗ることをやめていた。
しかし、この再会の日から二人の人生が再び交差し大きく変わっていくことに。
夢をつかんでも挫折をしてしまう者、自分の夢を見つけることができなかった者。
偶然にも故郷である井手町で開催されることになったロードレース大会「ツールド・KYOTO・2019」で、昔のようにただひたすらペダルを漕ぎ続ける二人。
そして最後に、それぞれが選ぶ未来とは…
作道雄監督について
この「神さまの轍 -Checkpoint of the life- 」が長編映画初監督となる作道雄さん。まずは監督ご自身についてお話を伺いました。
― 作道さんはもともと映画監督志望だったのでしょうか?
映画やドラマなどの”お話”が好きだったので「脚本家」になりたくてTV局に就職しようとしていました。そのために少しでもいい大学に入れればと思っていたんです。
― それで京大法学部に!?
奇跡でした(笑)。僕の好きなドラマ「トリック」の脚本家・蒔田光治(まきたみつはる)さん、「SPEC」のプロデューサー・植田博樹(うえだひろき)さんも京大法学部卒ということに縁を感じています。
― 大学在学中に劇団「月面クロワッサン」を旗揚げされていますが?
大学に入ってから脚本家はTV局の社員じゃないって気づきました(笑)脚本家になるには自分でやるしかないと!それで自分で劇団を旗揚げし、演出・脚本を務める事にしたんです。
大学を卒業したのち、2014年9月に「株式会社クリエイティブスタジオ ゲツクロ」を設立し、KBS京都でのドラマやテレビCMなどの制作に携わるようになった作道監督。
― 今作「神さまの轍 -Checkpoint of the life- 」はどういった経緯で監督をすることになったのですか?
そもそもは京都府井手町の地域活性作品を作れないかと役場の方と話し合っていたのが始まりでした。同時期に公開されていた映画「マザーレイク」では脚本を務めていたのですが、今度は監督も自分でやってみようかなと思ったんです。
― なぜ井手町PRからスタートした企画がロードバイクの映画に?
井手町のことを調べると、知る人ぞ知る”ロードバイクの聖地”とも呼べる場所があるということが分かったんです。人生の上り下りにもつながるようなロードバイク、自転車というテーマにもともと興味があったのでそこからつながっていきました。
― 作品の舞台ともなった井手町ですが、どんなところでしたか?
大半が山なんですが、近隣の街へのアクセスがよくいろんな景色が楽しめる素晴らしいところでした。
作品について
― 映画の見どころはどんなところでしょうか?
まずは何といっても、すべてのカットでロードバイクに役者さんが実際に乗っているとこです!クランクインの1ヵ月前からロードバイクの練習がスタートしました。自転車の乗り方にも全く嘘のない、リアリティを追求しています。
― 具体的にはどういった部分が?
レース中のグリップの握り位置やペダルを漕ぐ速度など、すべてにおいて細かい動きが決められています。これはレース開始何分後かによって自転車の乗り方が変化していくためなんです。何度も何度もテストとリハーサルを繰り返し、とにかくレースシーンの撮影には時間がかかりました!
― 監督もロードバイクに乗られるんですか?
乗っていたこともあったんですが、今は乗ってません。難しいですね!
― この映画になにかご自身の経験はつまっているのでしょうか?
実は大学時代の演劇活動に一度挫折しているんです。大学卒業時に、自身の不安と求心力のなさから劇団員たちがさらなる勝負を求め東京など別の場所へと旅立っていき芝居ができなくなってしまいました。その後自主制作映画を作り続けるも賞にも引っかからずに迷走をし、中国の古美術を運ぶという大変なバイトもやめられず、常にこのままでいいのかと思い悩んでいました。
― その時のご自身をふりかえってみたという部分もあるのでしょうか?
そうですね。ただ、夢の挫折だけを濃く扱うような作品にはしたくなかったんです。今は「夢を見つけることができなくて困っている」という方もたくさんいます。両方のバランスを大切にしようと思いまいした。
― 当然、脚本も手掛けられていますが、セリフはあて書きだったりするんですか?
はじめからイメージして書いていくことが多いです。特に岡山天音さんはセリフがストンと入ってくる役者さんで、セリフを言うのがとても上手だという印象を持ってます。逆に荒井敦史さんや中学時代の勇利を演じてくれた望月歩君は表情・たたずまいで演技するタイプで、そこにいるだけでOKみたいな存在感でした。
― 六角精児さん、津田寛治さんといった存在感のある役者さんが脇を固めていますね。
六角精児さん演じる「自転車おじさん」は今作で絶対に出したかったキャラクターでした。自分にとって一番遠い存在が、周りまわって人生のキーマンになるっていうのが素敵だなと。
― その自転車おじさんが繰り返し言う「明日なにしよ?」というセリフはこの映画のひとつのテーマでもあるかと思うのですが、どんな人に聞いてほしいですか?
今の自分を否定している人ですね。夢を追いかけていても「これでいいのか?」と現状を否定する人。また、「私なんて…」と夢を持てない自分を否定する人。今の自分を肯定できない人がどうにかするには「明日なにしよ?」しかないと思うんです。明日何しよう?明後日は何しよう?これをしよう、こうしていこう…と、現時点から地続きなものがあれば幸せを感じられると思います。
― 個人的に津田寛治さん演じる中坊先生の「そのうちよくなると思うなよ、今の自分がどうにかするしかないんだ」というセリフにとても心打たれました。
決して他人のせいにはしない。結局は自分が頑張るしかないと思うんです。徹底的に自分がどうするかしかない。幸せそうに生きている人ほど自分を楽しんでいますよね。
― まさにそうですね。先ほどの「明日なにしよ」にしても、自分を肯定し、自分で前を向いていかないと何も進んではいきませんね。
そんな思いがあって、この映画では挫折や夢を追う姿を描いていますが「お互いに励ましあう」というセリフがないんです。自分でどうにかするしかない。やっぱり自転車は漕がないと進まないという事ですね。
― ここぞとばかりに自転車を絡めてきましたね(笑)。
― 監督ご自身が『これは何者でもない二人の若者が、ただ何かになりたくて、必死にペダルを漕いだ10年間の青春物語です』と紹介されています。ただ、大人になるってことは「何者でもない自分」を受け入れることでもあると思うのですが、作道監督の考える、何者でもない自分との折り合いのつけ方とは?
恋愛に走る!です!!
― 恋愛!ちょっと意外な答えでした!
誰かのことを好きになって一緒に暮らすパワーってすごいことだと思います。ここ数年、僕自身恋愛から遠ざかっていますが…(苦笑)。ただし、恋愛中の作道雄がいるパラレルワールドの世界では、休みの日のたびに家族とイケアに行ってますよ(笑)。
― パラレルワールドですか?
はい、いろんなパラレルワールドの自分を想像するのが好きなんです。実は学生時代に家庭教師のバイトをしていたこともあり、劇中で描かれる洋介の塾講師の姿、そして同僚のかわいい先生との恋愛なんてのは完全にパラレルワールドの自分の姿を描いてますね(笑)。
― あれには「いつの間に付き合っててん!!」とニヤニヤしてしまいました(笑)。
就職活動中の学生さんに向けてメッセージはありますか?
― 夢に挫折した経験がある方。まだ夢が見つかっていない方。そんないろんな人が直面する「社会」ですが、まさにその社会に飛び出す就活生の皆さんになにかアドバイスはありますか?
良い想像をたくさんすることが大切だと思います。明るく楽しく生きる。人はつい自分を否定しがちになってしまいますが、例えば「この映画を見たら元気になる」、「この店でご飯を食べたら力が出てくる」なんてものを増やすといいです。忙しかったり、人生の進路が狭まった時にわきに置きがちになる「心の状態」を大切にしてください。
地元・大阪茨木について
― (急に真剣に)地元の人のみぞ知るという茨木情報教えてください!
え~なんですかそれ??”大阪”ルッチだからですか~!これは困った…
― 「大阪」に枠を広げても大丈夫ですよ…
いや、ここは茨木で決めたい!う~ん…茨木市大池地区の子供あるあるなのですが…少し遠いが遊具が充実「桑田公園」と、近いが狭い「舟木公園」のどちらかで遊ぶか結構迷う…です!
なんだその小さい情報!と、大笑いの茨木ネタでした。
映画公開を控えて…
― いよいよ全国ロードショーも近づいてきていますが、「神さまの轍 -Checkpoint of the life- 」が公開されてどんな影響が出ればうれしいですか?
まずはこの映画作成のスタートである京都府井手町の地域活性です。そしてサイクリストの皆さんに井手町に走りに来てもらう。そんな流れが生まれてほしいです。
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そして、全国の”田舎”の中高生に、特に井手町に住んでいる中高生が自分の地元の魅力について考えてもらえるきっかけになればいいなと思います。これって自分たちの話なのかな?って思ってもらえると嬉しいです。
まとめ
がむしゃらに生きる、すべての人へ送る青春映画「神さまの轍 ‐Checkpoint of the life- 」
きっと誰もが感じ、思い悩んだことが詰まっていると思います。
見終わったあと、「ちょっと頑張るか!」と背中を押してくれる、そんな素敵な映画でした。
【神さまの轍】
荒井敦史 岡山天音
望月歩 吉沢太陽
川村亮介 久保陽香 アベラヒデノブ 小貫加恵 松林慎司 月亭太遊 泉原豊
阿部進之介 津田寛治 六角精児
企画・脚本・監督 作道雄 音楽 宮内優里/中村佳穂
主題歌 フレデリック「たりないeye」(A-Sketch)
制作プロダクション クリエイティブスタジオゲツクロ 配給 エレファントハウス
後援 京都府・井手町・京都産業大学・京都府自転車競技連盟・日本自転車普及協会
Ⓒ2018映画『神さまの轍』製作委員会 公式HP:kamisamanowadachi.com
映画公式サイト:「神さまの轍」公式サイト
映画公式Facebook:「神さまの轍 Facebook」
映画公式Twitter:「神さまの轍 Twitter」
公開中:京都・神戸・大阪(イオンシネマ久御山、イオンシネマ高の原、OSシネマズ神戸ハーバーランド、大阪第七藝術劇場)
3月17日(土)より 新宿武蔵野館、アップリンク渋谷、イオンシネマ板橋ほか全国ロードショー!!
<お問い合わせ>
配給:エレファントハウス TEL090-7710-9098(増田)
宣伝:アティカス TEL03-6920-9165(作田、宇名手)
〒104-0061東京都中央区銀座1-14-6 銀座1丁目ビル3F
