愛染堂

縁結び商売繁盛ご利益で知られる愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)。地元では「愛染さん」の呼び名で親しまれているお寺です。毎年夏に開催される「愛染まつり」は、大阪三大夏祭りのひとつとしても有名なので知っている方も多いのではないでしょうか。

そんな愛染堂勝鬘院は、一体どんなお寺なのでしょうか?

愛染娘OGのライター・あやめしが解説します!

愛染堂勝鬘院ってどんなお寺?

愛染堂

愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)は、593年に四天王寺の施薬院(やくいん)として聖徳太子によって建てられたお寺です。
施薬院とは、薬草を栽培して怪我や病気で苦しんでいる人々を救うための福祉施設のこと。
この施薬院の本堂に勝鬘夫人(しょうまんぶにん)の仏像が本堂に祀られていたことと、聖徳太子が大乗仏教のひとつである勝鬘教を講じていたことから、勝鬘院と呼ばれるようになりました
平安時代以降、金堂(こんどう)ご本尊として愛染明王が祀られるようになってから「愛染堂」とも呼ばれるようになりました。

ちなみに勝鬘院の「鬘」は「かつら」で変換できますよ!

勝鬘夫人については、後ほど詳しくご紹介します!

ご利益

ご本尊の愛染明王は、縁結び・良縁成就・夫婦和合・愛嬌開運ご利益があります。
境内には国の重要文化財である豊臣秀吉が再建した「多宝塔」(たほうとう)や、飲むと願いが叶うと言われている「愛染めの霊水」なども。

それぞれ詳しく見ていきましょう!

まつられているのは?

愛染明王

愛染明王
出典:愛染堂

愛染堂のご本尊である愛染明王(あいぜんみょうおう)は、金堂に祀られています。
良縁成就・結婚成就・夫婦円満・商売繁盛のご利益において、仏教神の中では最強なのだとか。
燃えるような赤に恐ろしい形相の愛染明王ですが、それは諸々の悪者を追い返すため。根は優しい仏様です。
愛染明王は秘仏となっているため、その姿を見ることができるのは年に2回のみ。愛染明王の大縁日にあたる愛染まつり(6月30日~7月2日)と、お正月の新春ご開帳(1月1日~1月7日)です。

大日大勝金剛尊

大日大勝金剛尊
出典:愛染堂

12本の腕を持つ珍しい大日如来である大日大勝金剛尊(だいにちだいしょうこんごうそん)は、大阪市の有形文化財に指定されています。
戦勝祈願のために豊臣秀吉によって造られたと言われており、勝利開運のご利益があります。
大日大勝金剛尊が祀られている多宝塔の内部は秘仏となっているため、普段は見ることができません。ですが、年に1度の愛染まつり(6月30日~7月2日)の期間中のみ正面扉が開かれ、その姿を拝むことができます

十一面観音

出典:愛染堂

様々な能力を11の顔で表した仏様である十一面観音。頭部に小さな11の顔を戴せているのが特徴です。
愛染明王と同じ金堂に祀られています。

勝鬘夫人

出典:愛染堂

「勝鬘院」の名の由来となっている勝鬘夫人坐像(しょうまんぶにんざぞう)
古代インドの国王の娘である勝鬘夫人は、大乗仏教の教えを演説した人物。その演説の内容を書き記したものである勝鬘経は、出家していない身分で、女性が主人公として登場する唯一のお経です。日本初の女性天皇である推古天皇を喜ばせるために聖徳太子が勝鬘経の講義を開いたことも有名です。
勝鬘夫人坐像は、愛染明王・十一面観音と同じく金堂で見ることができます。

境内を紹介!

金堂

門をくぐって一番に目に入ってくるのが、境内の中央にある朱塗りの建物。
593年に聖徳太子によって建てられた金堂(こんどう)です。
織田信長の大阪石山寺攻めの際に一度焼失しているため、今あるのもは徳川幕府二代目将軍・徳川秀忠の手によって再建されたものなのだとか。
中には本尊である愛染明王の他に十一面観音や勝鬘夫人、薬師如来などが祀られています。
大阪府の指定文化財にも選ばれている建物です。

多宝塔

多宝塔

金堂の裏へ回ると見えてくるのが国の重要文化財である多宝塔(たほうとう)
金堂と同じく593年に聖徳太子によって建てられた後、大阪石山寺攻めの際に焼失し、1597年に豊臣秀吉によって再建されました。
多宝塔の内部は秘仏となっているため、普段は非公開です。
年に1度の愛染まつり(6月30日~7月2日)の期間中のみ正面扉が開かれ、秀吉が戦勝祈願のために造像させたといわれる大日大勝金剛尊像と仏教の守護神である十二天の壁画を見ることができます。

愛染かつら

門をくぐって境内の右側にあるのが「愛染かつらの木」。樹齢数百年の大きな桂の木にノウゼンカズラのツルが巻き付いて一体となっている姿が、仲の良い男女が寄り添っているように見えることから「縁結びの霊木」として信仰されています。
夏になるとオレンジ色のかずらの花が咲き誇る姿を見ることができます。

愛染まつりのキャンペーンガールである愛染娘は、このかずらの花の花飾りを必ず頭につけるんですよ~

禅堂

禅堂

僧侶の瞑想にふける道場として使用される禅堂
過去には愛染まつりの演芸大会や愛嬌コンテスト等の舞台としても使用されていました。

愛染めの霊水

飲めば願いが叶うと言われている「愛染めの霊水」
井戸からは常に清浄の霊水が湧き出ており、開運、夫婦和合、良縁成就・安産、出世、商売繁盛などのご利益があるそう。

腰痛封じの石

この石に座ると痛みが治癒されると、密かなパワースポットになっている腰痛封じの石
背筋を伸ばしてお尻を引いてこの石に深く座り、背もたれの突起に背骨のツボを当てながら呼吸をすれば、腰痛に効果があるのだとか。

愛染まつり(開催日:6/30~7/2)

愛染まつり

毎年6月30日から7月2日にかけて行われる愛染堂の夏の大祭「愛染まつり」
天神祭・住吉祭と共に「大阪三大夏祭り」としても知られています。
大阪の夏祭りはこの愛染まつりから始まり、毎年20万人もの参拝客が訪れるのだとか。
愛染まつりの期間中は秘仏である愛染明王や多宝塔の内部が公開されます。

聖徳太子の時代から続く日本最古の夏祭りとして、大阪市の無形文化遺産として登録もされているんですよ!

愛染娘

愛染まつりを盛り上げる一役を担う「愛染娘」は毎年一般公募で選ばれており、お祭り初日には愛染娘を乗せた宝恵駕籠(ほえかご)が谷町筋を練り歩く宝恵駕籠パレードも開催されます。

ちなみにあやめしは2015年度の愛染娘でした!

他にも、縁日露店が出たり、鳴り物や踊りでお祭りを盛り上げる演芸奉納があったり、四天王寺のお坊さんたちが多宝塔で無病息災を祈る伝統行事「夏越の大祓え」があったりと、盛りだくさんの3日間です。

「愛染祭」は大阪で最初の夏祭り!2024年の愛染娘に選ばれたのは!?

アクセス

愛染堂勝鬘院の最寄り駅は、大阪メトロ谷町線の四天王寺前夕陽ヶ丘駅

5番出口を出て、あべのハルカスが見える方向に進みます。

目の前に大阪星光学院の校舎が見えてきたら、手前の道路を右に。

そのまましばらくまっすぐ歩いて行くと、愛染堂に到着です!

徒歩3分ほどで到着しますよ。

まとめ

愛染さん

縁結びに商売繁盛、勝利開運と、ご利益がたくさんある愛染堂勝鬘院
「愛染さん」として親しまれているこのお寺は、聖徳太子の時代から続いているというのだから驚きです。

1400年以上の歴史を感じに、愛染堂に足を運んでみてはいかがでしょうか。

詳細

愛染堂勝鬘院(あいぜんどうしょうまんいん)
住所   :〒543-0075 大阪府大阪市天王寺区夕陽丘町5-36
地図   Googleマップ
アクセス :大阪メトロ「四天王寺前夕日ヶ丘駅」より徒歩3分
電話番号 : 06-6779-5800
公式サイト愛染堂(勝鬘院)

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