箕面の山奥にある勝運の勝ちダルマで有名なお寺「勝尾寺」。境内にはいたるところにダルマが並び、SNSでも話題のスポットです。紅葉シーズンはライトアップもされ、多くの方が訪れる勝尾寺は、一体どんなところなのでしょうか?
目次
勝尾寺ってどんなお寺?
勝尾寺は、箕面市にある高野山真言宗のお寺です。727年に創建されたと言われており、ご本尊は十一面千手観世音菩薩立像です。西国三十三箇所の第23番札所でもあります。
ご利益
平安時代の清和天皇の頃、病に臥せっていた帝のために当時の住職が加持祈祷を行い、快方に向かったことから「この寺は王に勝った」として、王に勝った寺、勝王寺となりました。寺側は「王に勝つ」の称号は恐れ多いとして、「王」を「尾」と変え、現在の「勝尾寺」と称するようになりました。
現在では、受験、厄除け、病気、スポーツ、商売、芸事など「人生のあらゆる場面で勝つ寺」として信仰されています。ちなみに、勝尾寺での「勝つ」とは、他者を打ち負かすことではなく「自分と向き合い、自分の弱い心に打ち勝つ」ということなのだそう。
勝ちダルマ
勝尾寺と言えば、必勝祈願の勝ちダルマ。願い事を書いてダルマに片目を入れ、「自分と向き合い、自分の弱い心に打ち勝つ」という誓約書にサインをし、1日1日を悔いなく過ごすことで願いが叶うとされています。願いが叶った際には、ダルマのもう片方の目に墨を入れ、勝ちダルマを奉納します。
境内にある勝ちダルマ奉納棚には、両目の揃った勝ちダルマがずらり。その光景は圧巻です。
いのちの砂時計カレンダー
願い事を叶えるため、毎日を悔いなく全力で過ごすことのできるよう、「いのちの砂時計カレンダー」が用意されています。1日の終わりにその日を振り返り、「今日を生き切った」と思えたら〇を黒く塗りつぶすというもの。この「いのちの砂時計カレンダー」は、勝尾寺公式サイトからダウンロードできます。
六十四卦ダルマみくじ
境内では、たくさんの小さなダルマを見ることができます。お堂の手すり、お賽銭箱の上、階段、石垣や木の隙間など、とにかくいたるところに小さなダルマがずらり。
この小さいダルマの正体は、実は「六十四卦ダルマみくじ」。これは、日本でも唯一勝尾寺のみで行うことのできる占いで、古代中国で重要な政策を決定する際などに用いられてきた「易」が基盤となっているのだそう。このダルマみくじで占える内容は、仕事・商売・スポーツ・受験・恋愛・芸事・病気・人間関係・家庭・その他です。
この小さいダルマは、おみくじとして引いた後は境内のどこに置いてもよいとされています。もちろん、持ち帰ることも可能です。境内に置かれたダルマは、毎年12月中旬頃に全て集められ、12月28日にお魂抜きをしてお炊き上げされるのだそう。なので、12月初旬頃には小さなダルマで溢れた境内を見ることができ、年明けには小さなダルマの少ないスッキリとした境内を見ることができます。
境内を紹介!
自然に囲まれた8万坪の境内には、どんなものがあるのか。見ていきましょう!
山門
出典:勝尾寺
1603年に豊臣秀頼によって再建された山門。改修工事が進められていましたが、2024年秋には完成予定。紅葉シーズンにはライトアップされるので、綺麗な景色を見ることができます。
鯉のエサやり場
山門をくぐると見えてくるのが大きな弁天池。この池の中には大きな鯉がたくさんいます。冬眠の時期以外は、この池の鯉にエサをあげることもできるんですよ。
お清め橋
山門をくぐるとそのまま歩くことになる橋が、お清め橋。この橋の下からはお清め霧が出ていることもあり、橋を渡った先が神聖な境内であることを感じさせてくれます。
弁財天社
弁財池の中にある弁財天社には、専用の橋を渡ってお参りすることができます。水を守る神であり、知恵を与え、学問や芸能、音楽の才能を開花させる神でもあるのだそう。
智慧の環
歩くと、湧き出る力や良い知恵をいただけるという知恵の環。入口からゆっくり右回りに7周かけて中心点まで歩き、中心点から逆回りでゆっくり7周かけて入口に戻るというのが正しい歩き方です。先に本堂をお参りしてから歩くのが良いのだそう。
一願不動堂
人の悪を懲らしめ、善に導く不動明王がいる一願不動堂。ここの不動明王は1つの願い事のみを叶えるとして、古くから信仰されています。
勝ちダルマ奉納棚
両目の入った、願いの叶った勝ちダルマが奉納されている場所が、勝ちダルマ奉納棚です。階段に沿って作られた奉納棚に、隙間なく並べ荒れているダルマの光景は圧巻。
大小さまざまな勝ちダルマの前で多くの方が立ち止まり、記念撮影をする撮影スポットでもあります。
開山堂
開山堂には、勝尾寺の前身である弥勒寺を創建された開成皇子と、約1300年前にこの地で修行をされた善仲と善算の木像がそれぞれ安置されています。
格子状になっている壁にはちょうど小さなダルマが2つ入るサイズなので、所せましとダルマが並べられている光景も見どころです!
大師堂
弘法大師がお祀りされている大師堂。お堂の周りに四国八十八ヶ所の1番から88番の御本尊が祀られており、その下には各霊場のお砂が納められています。
「南無大師遍照金剛」と唱えながらお砂を踏むことで、各寺院にお参りしたのと同じご利益をいただけるとされています。
本堂
勝尾寺のご本尊である十一面千手観世音菩薩がお祀りされている本堂は、西国第23番札所でもあります。1年365日、毎日唱えられているお経は境内にも響き渡っています。
御守授与所
本堂のすぐ向かいにある建物が、御守授与所です。境内にたくさん見られる小さいダルマのおみくじや、勝ちダルマ、お守りなどは全てこの授与所で授けていただくことができます。
鐘楼堂
厄除けの鐘。この鐘の下にも、多くの小さなダルマが並んでいます。
多宝塔
大日如来の像が祀られている多宝塔。
多宝塔の扉の上にある蟇股と呼ばれる部分には十二支の彫刻が施されています。
双眼鏡やカメラのズーム機能を使えばしっかり見ることができますよ!
秋の勝尾寺は紅葉の絶景スポット!
出典:勝尾寺
自然豊かな勝尾寺では、春の桜、夏の紫陽花、冬の雪景色など、春夏秋冬さまざまな景色を見ることができます。その中でも特に人気なのが、秋の紅葉です。
周辺の山々の紅葉シーズンは、毎年11月初旬。赤や黄色に彩られた境内は、まるで絵を見ているかのような光景になり、絶景の紅葉スポットです。
夜間特別ライトアップ
出典:勝尾寺
紅葉の期間は、日暮れと共にライトアップされる演出も。毎年11月初旬頃から12月初旬頃まで行われており、夜の紅葉絶景ランキングで全国7位に選出されている光景を見ることができます。
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だるまが可愛いお土産も!
お土産売り場「コムニカチオ」では、ダルマにちなんだ可愛いグッズがたくさんそろっています。
「勝ちダルマ飴」や「勝ちダルマクランチチョコ」、「だるまヌードル」などの食べ物系から、ダルマデザインの「手帳」や「バッグ」などの雑貨まで、さまざまなアイテムが並んでいました。
お土産売り場の隣には無料の休憩所も
お土産売り場のすぐ隣には、机と椅子が並べられた無料で利用できる休憩所もあります。自動販売機も設置されているので、ドリンクを飲みながら、広大な境内を歩いた後の疲れた身体をここで休めるのもいいですね。
参拝時間と料金
参拝時間
勝尾寺の参拝可能時間は下記のとおりです。
土曜日:8:00~18:00(最終受付17:30)
日曜日:8:00~17:00(最終受付16:30)
ライトアップ実施日:8:00~20:30(最終受付20:00)
料金
入山志納料は下記のとおりです。
大人:500円
小・中学生:400円
未就学児:100円
2歳以下:無料
アクセス
出典:勝尾寺
勝尾寺の最寄り駅は3つ。北大阪急行の箕面萱野駅、阪急箕面線の箕面駅、大阪モノレールの彩都西駅です。それぞれの駅からはバスやタクシーを利用が必要です。所要時間は下記のとおり。
・箕面駅より…タクシー約20分
・彩都西駅より…タクシー約12分
阪急バス
千里中央と箕面萱野駅より勝尾寺行きのバスが出ています。勝尾寺行の直行便だと、所要時間は箕面萱野駅より22分ほど。
バスの運賃は勝尾寺-箕面萱野駅間で大人400円、勝尾寺-千里中央間で大人520円です。
箕面滝道ワンウェイ観光周遊バス
勝尾寺に向かうには「箕面滝道ワンウェイ観光周遊バス」を利用するという手段もあります。これは、マイカーを使わずに効率的に箕面の観光スポット(勝尾寺、箕面大滝、瀧安寺、西江寺)を巡ることのできる周遊バスです。
1日乗車券には勝尾寺のお店などで使える400円分のクーポン券や勝尾寺の入山料が100円引きになるなど、お得な特典がセットになっています。
1日乗り放題券:大人2,000円 子ども1,000円
区間乗車券:1区間ごとに700円(大人・子ども共通)
この周遊バスの運行は土日祝日と、夏休みの平日のみ。ちなみに、混雑が予想される紅葉時期や年末年始は運行されていないので注意が必要です。
車
車を利用の場合のアクセスは下記のとおり。
・茨木IC(名神高速道路)より約22分
・吹田IC(近畿自動車道・中国自動車道・名神高速道路)より約26分
・池田IC(中国自動車道)より約33分
ちなみに、勝尾寺の前の道路・府道4号は、バイクの通行が終日禁止されているため通ることはできません。
駐車場
駐車場は、屋外の第1駐車場と屋内の第2駐車場の2か所があります。普通車は1時間まで500円、それ以降は30分毎に200円が加算されます。
まとめ
「勝運の寺」である勝尾寺。自然豊かで広大な境内のいたるところにいるダルマは、思わずカメラのシャッターを押してしまう愛らしさです。
「人生のあらゆる場面で勝つ寺」の御利益をいただきに、ダルマと豊かな自然が織りなす勝尾寺ならではの光景を見に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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